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「地球の歩き方」では数行、団体旅行には無い、一人旅のガイド


by 老爺爺

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97.揚洲  鑑真の故地

揚洲:
 揚洲と聞いて、何を連想するだろうか? 古寺探訪が趣味なら鑑真ゆかりの地、上海付近の人なら揚洲炒飯、観光地なら痩西湖、足療好きなら三把刀といったところか。(揚洲炒飯は、日本で言えば野菜が沢山入った五目炒飯)。
 揚洲は鎮江と向かい合って長江に面し、隋煬帝の築いた京杭運河にも面した交通の要地であった。中国四大イスラム古寺の仙鶴寺も市中に残る。

大明寺;
 鑑真大和尚は説明するまでもなく、日本に戒壇をもたらした高僧で、揚洲の大明寺がゆかりの寺だ。大明寺には唐招提寺を模した記念堂が寄贈されている。
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鑑真記念堂
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大明寺のランドマークが、95年に建立された鉄筋の栖霊塔だ。塔の前には、鐘楼と鼓楼も建てられ、塔からの眺めはすこぶる良い。
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これらは、どのガイドブックにも書いてあるので、この位で。
 それ以外というと、寺内の西苑には、天下第五泉と康煕碑と乾隆碑がある。天下XX泉は唐代の茶聖と言われた陸羽が、江南に隠居しとき選定したと言う、茶の名泉のこと。第一泉=鎮江中冷泉、第二泉=無錫恵山石泉、第三泉=蘇州虎丘石泉、第四泉=丹陽縣観音寺泉と、ここ第五泉=大明寺泉ということだが、のちに、全国に広まって、あちこちで名乗るようになった。
天下第五泉;
 第五泉は、池の中の小島にある。
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この亭は、屋根の中央が吹き抜けになっている。
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池に降りる岸に、康煕帝と乾隆帝の碑亭がある。
康煕御碑亭と康煕御碑;
四周に廊を巡らした単層入母屋の亭で、東壁に、杭州霊隠寺の五言詩が刻まれている。揚洲に何故杭州所題の詩かというと、康煕帝が南巡から帰る時、山東まで送った正白旗人高承爵にこの詩の宸翰を授け、江蘇按察使に任じた。高承爵は、大明寺まで戻った時、この碑を建てた為という。
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康煕帝は王羲之の書法を範としたそうだが、秀麗な書と思う。詩が良いとは思えないが、、、

  「霊山含秀色、鷲岭起嵯峨
   梵宇盤空出、香雲繞地多
   開襟対層碧、下馬撫煙蘿
   羽衛閑来往、非同問法過」
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少し離れて、乾隆御碑亭がある。
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御碑は三面あり、こちらは大明寺平山堂の情景だそうだ。
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康煕帝ほどではないが、乾隆帝の書も素晴らしいと思う。




痩西湖;
痩西湖は、杭州の西湖のように風光明媚だが細長いのでこう呼ばれたと言われる。
ここも見所が沢山あり、半日で廻るのは少し無理がある。公園内には、出入り口がいくつもあり、電動車も走っているが、東岸と西岸を渡れるのは3ヶ所だけ。
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東門跡;
京杭運河に面した東門跡の発掘と復元を進めている。城楼は、北宋の営造法式により復元とある。今頃は街路も完成して賑わっている頃だろう。
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大明寺から痩西湖に沿って10分程歩くと、唐城遺址博物館がある。唐衙城の南垣の上に唐代壁画を参考に建てたもの。城壁の上はすこぶる眺めは良い。展示は特筆するものはない。
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更に、痩西湖のハズレまで1.7km、少し遠いので25路のバスで、漢広陵王墓バス停で降りると、漢墓博物館がある。漢の広陵王と王后の地宮を見学できる。大きな木枠の中に玄室と脇室があるが、暗いので写真では、判りにくく申し訳ない。
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公開されている漢墓はあまりないので、時間があればどうぞ。

最後に、揚洲の庭園というと、何園と個園がある。
何園は、「晩清第一園」と言われ、長大な複廊が名高い。
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個園も清代の名園で街角にひっそりと建つが、生活感のある調度などは如何か。
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揚洲三把刀;
揚洲三把刀は、厨刀・修脚刀・理髪刀の総称らしいが、修脚刀が代名詞になっている。修脚刀は文字通り足の爪周りや足裏を削るものだ。冬に踵が厚くなって割れて歩くのが辛い時、足療店で削って貰って助かった経験がある。バリバリになった踵が ツルッとした踵になった時は、さすが中国3000年の歴史と感動したものだ。ただ、上海で本物の揚洲足療店は数少ない。りっぱな店構えのところは、大抵形だけだ。
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     ⇒ 総目次 
     ⇒ 目次1 日本じゃ無名? の巻
     ⇒ 目次2 中国に有って、... & 日本に有って、... の巻

     ⇒ 目次3 番外編 その他、言ってみれば      の巻
     ⇒ 目次4 義縣奉国寺(抜粋)中国の修理工事報告書 の巻
     ⇒ 目次5 日本と中国 あれこれ、思うこと     の巻


by songofta | 2015-06-04 22:44 | Comments(0)
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